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亡くなった両親の施設医療費を払うと相続放棄できない?
2023.02.20
相続放棄に関する相談実例
Q 両親が施設や病院に入所している最中に亡くな
ってしまい、親の相続が発生しました。
両親の財産には、現金などのプラスの財債以外に負
の不動産(問題があり売れない)や借金や連帯保証
人の可能性があることが分かったため、3ヶ月以内
に相続放棄しようと考えています。
両親の債権・債務を少しでも触ると相続放棄できな
いと聞きましたが、お世話になった施設費用だけは
きちんとお支払いしたいのですが、単純放棄となり
相続放棄できなくなってしまうのでしょうか?
A 相続放棄が家庭裁判所で認められている場合
亡くなった両親の介護費用の支払い義務は生じず
介護費用の請求を受けた際は、相続放棄受理証明証
を提示することにより、自身に支払い義務がないこ
とを伝えることで対応します。
しかし、心情的に介護でお世話になった施設の方々
や献身に介護しれくれたヘルパーさんの介護費用
まで払わないのは、さすがに心苦しいです。
第921条【法定単純承認】では
被相続人の財産から介護費用等を支払ってしまうと
被相続人の財産を処分したとみなされ、遺産相続に
同意したとみなすとあります。
このような場合の対応策として、相続放棄はしつつ
介護費用を払いたい場面では、ご自身のお金で支払
うしかありません。
相続は財産を貰える!という先入観がありますが
負の遺産(借金や負動産)なども全て相続の対象
です。
また、視覚化できない連帯保証人の保証債務も相続
することになりますので、要注意です。
また、相続人が複数存在する場合、自分さえ放棄し
て逃れればいいという訳にもいかず、実際の現場
では
相続から3ヶ月経過し、相続放棄ができなくなった
あとに、他の相続人から、なんで!このようなマイ
ナス財産を事前に教えてくれなかったんだ!
とトラブルになることもあります。
法律上は放棄しても、相続人間の遺恨は放棄でき
ませんよね。
ちばPMA相続サポートセンター 佐藤 浩之
法律と実務の現場では相違する場面が以外に多く
あります。
法規制を正しく理解し、活用しながら上手に相続を
進めていくには、事前にリスクを把握しておき
対策を講じておく必要があります。
相続が発生してからでは手遅れ!という対策もある
ため、事前に専門家に相談し準備しておきましょう!
※上記、掲載内容は投稿時点でのものです。
情報改定や法令改定等により、掲載情報が変っている
場合がありますので、ご確認をお願い致します。
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