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特定障害者扶養信託の活用と留意点

2023.07.02

特定障害者を扶養している親族にとって、あらゆ

る対策や制度の選択肢の引き出しを持っていると

いうだけで、予算や状況に合わせた対策をとる事

ができます。

 

今回は、特定障害者扶養信託制度について

見て行きましょう。

 

 

■特定障害者信託の仕組の概要

 

特定障害者を扶養する親族が委託者として障害

者の将来に備え、金銭などを信託銀行に信託し、

親族が亡くなった後も、障害者に一定給付を信

託銀行から障害者に支給される仕組みのこと。

■特定障害者は2種類ある

 

【主な特別障害者】

・重度の知的/精神障害者

・1.2級の身体障害者手帳保有者

・年齢65歳以上の重度の障害者

 

【主な特定障害者】

・中程度の知的/精神障害者

・2.3級の精神障害者保険福祉手帳保有者

・年齢65歳以上の障害者

 

 

■信託できる財産は

 

・金銭、有価証券、金銭債権

・賃料収益のある不動産

・障害者の住む不動産 ※単独信託不可

 

※信託会社や金融機関によって信託できる内容

が異なりますので、事前に確認しましょう。

 

 

■特定障害者扶養信託の3つのメリット

 

① 3,000万円(特別障害者6,000万円)まで

 の信託価格が無税で贈与できる。

 

② 委託者の親族が死亡しても定期的に障害者に

 生活費等が支払われるので親(委託者)亡き後

 の将来も障害者の生活保障になる。

 

③ 障害者が亡くなった場合、お世話になったボ

 ランティア団体や障害者団体、社会福祉施設等

 に残った信託財産を寄付して他の障害者のため

 に活用することもできる。

 

 

■特定障害者扶養信託で留意するべきこと

 

・委託者(親族等)は個人に限られ法人は不可

・障害者の状況によっては、後見人等が必要

・信託できる信託銀行等(受託者)は1社のみ

・障害者非課税信託申告書を受託者経由で

 税務署へ提出する手続きがある。

・信託会社や銀行に支払う信託報酬が発生する

・中途解約や契約内容の変更はできない。

・他の相続人の遺留分を超える信託額の場合

 遺留分侵害額請求を受けるリスクがある。

・障害者の死亡によって信託契約は終了する

 

 

執筆者:ちばPMA相続サポートセンター 佐藤 浩之

 

障害者を抱える親としては、自分が元気なうち

はいいが、自分が亡き後や認知症になった場合

などに、自立できない障害者の将来が心配です。

 

親が認知症になった場合は、贈与や信託等の

法律行為は一切できなくなります。

 

元気な今だからこそ、愛する子供の将来を真剣

に考えてみてはいかがでしょうか。

 

 

※上記、掲載内容は投稿時点でのものです。

情報改定や法令改定等により、掲載情報が変っている

場合がありますので、ご確認をお願い致します。

 

 

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