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不動産賃貸経営における入退去分析指標とは
2023.11.12
賃貸不動産を所有している方にとって、保有中の賃貸物件が現状どのような成績なのか、必ず知っておくべき指標をご紹介します。
賃貸不動産分析には様々なものがありますが、今回ご紹介する指標は、一般の方でも簡単に計算ができる、下記5つの賃貸状況の分析指標です。
① 平均入居率
② 平均空室率
③ 平均解約率
④ 平均空室期間
⑤ 平均居住期間
では、順番に計算式を見て行きましょう。
① 入居率=A 各戸の入居月数年累計÷B 全戸数×12ヶ月×100
※現在を切り取った数字ではなく、年間の平均値を見ることで入居稼働が目標値90%~95%に達しているか確認できます。
② 空室率=A 各戸の空室月数年累計÷B 全戸数×12ヶ月×100
※この平均空室率が10%を超えている場合には、目標値を下回っている為、管理会社等と対策を検討します。
③ 平均解約率=年間の解約戸数÷総戸数×100
※シングル間取(1DK等)の平均解約率は20%~30%ほどです。
※ファミリー間取(3LDK等)の平均解約率は15%~25%ほどです。
※毎年この解約率を把握し、過去の累計から平均より解約率が高い場合には、退去していく原因があるはずです。
④ 平均空室期間=空部屋の空月数の合計÷総空部屋数
※例えば、空部屋が6戸でたとして、各6戸の空き期間合計(A室2カ月・B室1ヶ月・C室3ヶ月・D室2ヶ月・E室2ヶ月・F室1ヶ月の合計11ヶ月)÷総空部屋数6=平均空室期間1.83ヶ月となります。
⑤ 平均居住期間=(100%÷解約率×12ヶ月)−平均空室期間
例:解約率25%で、平均空室期間が④の1.83ヶ月とした場合、1÷0.25×12−1.83=平均で46.17ヶ月(約3.84年)居住してくれたことになります。
この数値を毎年変動率として見ていくと、この数年入居期間が短くなっているから、何が原因なのか?周囲のライバル物件と何が違うのかなど、対策を検討するベースとなります。
尚、一般的に空室損失月数は5ヶ月分と言われています。
理由として、退去した後に平均募集期間が2ヶ月+リフォーム費用1ヶ月+仲介広告料2ヶ月の合計が5ヶ月ということです。
家賃が6万円だとすると30万円の空室損になります。
その為、極力同じ世帯に長く住んでもらう対策も大きなキャッシュロスを防止することになります。
また、銀行から融資を受ける際に銀行が判断する空室率は15%~20%となってもキャッシュフローが成り立つか? 収入に対する元金返済負担率 DCR1.3以上などを基準に、融資判断をしていきます。
執筆者:ちばPMA相続サポートセンター 佐藤 浩之
上記の指標を利用して、新たな入居者条件を受け入れるか否かを数字で判断することもできます。
募集賃料が7万円の部屋に対して、6.9万円で入居申込を受けた場合、あなたならもう少し粘って満額7万円の入居者を探しますか?
それとも6.9万円の申込を受け入れますか?の問いに対して数値化して判断します。
仮に平均空室期間が3ヶ月の場合、直ぐ決まる為、空室期間が1ヶ月で済みますから、2ヶ月分の家賃収入が入ります。
6.9万円×2ヶ月=13.8万円
加えて、6.9万円×平均居住期間42ヶ月とすると6.9万円×42ヶ月=289.8万円の家賃収入になり、13.8万円と合計すると、303.6万円になります。
逆に、満額の7万円のまま4ヶ月粘って入居が決まったとした場合、7万円×平均居住期間42ヶ月=294万円に加え、粘った4ヶ月は平均空室期間の3ヶ月を1ヶ月超える為、1ヶ月分の賃料損 7万円を差し引きます。
差引294万円−7万円=287万円の家賃収入となり、1千円値下げして空室1ヶ月で契約を決断した場合の方が、16.6万円得したことになります。
募集する際の賃料相場を事前に調べ、多少高めに募集しつつ、賃料値下げ交渉があった際には、過去の累計指標から数値として冷静に判断ができます。
その他、内部収益率(IRR)や総合収益率など賃貸物件の全体を分析する指標も併せて確認しつつ、このような分析を得意とするパートナーと共に、失敗しない見える化したプラスの賃貸経営をしましょう!
※上記、掲載内容は投稿時点でのものです。情報改定や法令改定等により、掲載情報が変っている場合がありますので、ご確認をお願い致します。
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