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2024年(令和6年)から大きく変わる相続ルール速報
2024.07.07
2024年度は相続関連の改正法が相次いでいる現実をご存じでしょうか。
知らなかったでは済まされない、最新の相続関連改正法情報を簡潔にお伝えします。
顧客にコンサルする立場の方は、最新情報の概要を知っているだけでも信頼を得られるきかっけにも繋がります!
2024年1月から被相続人が生前に行った生前贈与の「持ち戻し」期間が今まで3年間だったものが、7年に延長されました!
暦年贈与(1年間の贈与)の非課税枠110万円も当然対象であり、せっかく非課税枠を使ってコツコツと贈与した金額が7年間全て相続財産に持ち戻されてしまい、せっかくの節税対策が水の泡と化します!
但し、いきなり7年に拡大されるわけではなく、24年1月以降の贈与が改正の対象となる為、実際に7年まで伸びるのは31年以降の相続発生分からです。
改正に伴い、持ち戻される4年~7年(4年間)分の贈与のうち100万円までは非課税(持ち戻し対象外)とする措置も講じられています。
24年1月から以前からある「相続時精算課税制度」(※2500万円までの贈与は非課税で贈与できる一方、相続発生時に全て相続財産に持ち戻して相続税を計算する制度)
この制度に年間110万円の基礎控除が新設されました!すなわち、年間の贈与額から110万円を引いた残りの額が相続時に持ち戻される対象となる額となります。
注意点は改正法1で案内した暦年贈与と、この相続時精算課税制度の併用はできないことです。一度、相続時精算課税制度を選択した場合、相続が発生するまでずっと、この制度内での贈与となります。
同じく24年1月からは、マンションの相続評価額の計算方法が変更され、今まで節税に使われてきた「タワマン節税」などに大きく影響を与えます。
タワマンなどは高層の為、1戸当たりの敷地持分面積が小さい割に、高層階になればなるほど、人気がある為に高額で売買されている反面、相続税評価額には、このような階数等による時価額と相続税評価額との釣り合い調整が取れていなかった為、例えば1億円のマンションが相続税評価額は4千万円になるなど、6千万円もの資産圧縮物件もざらにありました。
新ルールでは、建物の築年数、総階数、所在階、敷地持ち分割合から乖離率を算出し、時価と評価の乖離が大きい物件には、時価額の60%以上となるよう調整される制度です。
詳しくは マンション新評価額の計算 わかりやすく
24年4月から「相続登記」が義務化された。相続人は相続により不動産の所有権を得たことを知った日から3年以内に当該不動産の相続による名義変更を行わなければなりません。
遺産分割協議が難航し3年以内に相続登記が難しい場合には、当該不動産の相続人が自分であることを公示する「相続人申告登記」をしておく延期措置もありますが、正当な理由もなく、相続登記を行わない場合には10万円以下の過料が発生することになります。
留意点は、24年4月以前の相続不動産にも、この相続登記の義務化が及ぶということです。
相続登記の義務化で不動産の流通も進むと思われる反面、昨今対応した実務案件では、私道部分の相続登記が未了で相続人が数十名もいる為、相続登記料が70万円を超える見積を提示された相続人の一人は、10万円の過料を払った方がましと、相続登記を放棄された事例がありました。
このような現実を踏まえ、現場で対応する者としては、もっと実務的な法改正を望みたいと感じた改正内容でした。
※上記、掲載内容は投稿時点でのものです。情報改定や法令改定等により、掲載情報が変っている場合がありますので、ご確認をお願い致します。
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